Looking for Football

フットボールと、旅。

【完】「終わりは、始まり」アイルランドで僕は、全てを失い全てを取り戻した。

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ルギーで財布を盗まれ、その後奇跡の出会いで危機を脱し、なんとかアイルランドにたどり着くことができました。そこまでは、Facebookでご報告させていただいたと思います。

しかしその4日後、今度は寝ている間に部屋に侵入され鞄ごと盗まれるという、なんとも馬鹿げた出来事に見舞われてしまいました。2回目の盗難ということもあり、いたって冷静に対処が出来たと思っていたのですが、身体がいうことを聞きませんでした。

その日の夜、知らぬ間に溜め込んでいたストレスによるものか、しばらくの栄養不良によるものか、謎の震えを抑えられず、黒い嘔吐を(食事中の方ありがとうございます)大量生産してしまいました。

 

予定では、アイルランドを出た後もう少しヨーロッパに滞在してから日本に帰国しようと思っていたのですが、ホステルで2日間寝込んだのち、先日帰国を致しました。強い強いと思っていた自分の体ですが、普通に弱かったです。

帰国の予定を少し早めたのは、黒いゲロを吐いたからでも、2日間寝込んだからでもありません。ベルギーの盗難時には無事だった予備のクレジットカードを含め、カメラなどの戦利品を全て失い、ベルギーで借りていた現金も計算上足りないという判断をしたためです。幸い、携帯とパスポートと現金は抱えて寝ていた為無事だったので、今後のことも考え、帰国を決めました。ご迷惑をおかけした方々、お詫び申し上げます。

 

|最後

旅の終わりとともに、今回でこのブログに記事をあげるのは最後になります。

まず始めに、これまでこのブログを読んでくださいました皆様、本当にありがとうございました。そして、出発前、僕の野望を応援してくれた友人のみんな、思っていたようなことが出来ずに、期待を裏切ってしまった形になってしまい、申し訳ございません。

今回の記事は、旅の総括や、反省、後悔、心境の変化や、今後のことなどを書いていこうと思います。もし、興味があれば、この続きも読んでみてください。自分の失敗を晒すのは恥ずかしいですが、ここまでやってきた最低限の責任として、全て書いていこうと思います。

 

|変化

この旅の期間中に、大きく「計画」や「方法」「目的」を変えたことが多くあります。最初から読んでいただいてる方や、出発前に僕の話を聞いてくれた方ならわかるかと思います。

そもそも僕がこのように発信をしながら、アジアとヨーロッパのサッカーを観に行こうと思ったのにはいくつか理由がありますが、「日本サッカーを変えたい」という思いがあったことが大きな理由の一つです。バカだけど、思っていました。

そのために日本にいる間に「なぜ日本のサッカーが勝てないのか?」ということを真剣に考え、自分なりに答えを導き出し、理論を書き溜めておりました。しかし、僕はそれに関する記事を、アジアを出たあたりから一切出しておりません。

ただ分かっておいて頂きたいのは、「日本を出る前」の考えと「ヨーロッパのサッカーを観た後」の考えは、根本的には変わっていないということです。もちろん、考え方の価値観や、ヨーロッパに対する印象など、細かいことを言えば変わっている部分は多くあります。想像と、実際に見るのとでは、やはり全然違います。

しかし、根本の部分は今でも変わりません。日本のサッカー界には今すぐにでも改善しなければならないことが多くあるのは間違いないですし、「文化」レベルから改善をしていくべきです。自分が導き出した理論も間違っているとは一切思いません。若い人間がもっと意見を言うべきだという主張も変わりません。

なかなか理由を一言でまとめるのは難しいですが、要は、今の僕には何もかもが足りなかったということです。

ヨーロッパのサッカーを見ていくにつれ、自分の持っていた考え方に「欠けている」ことがあることや、変えることなく「修正」をしなければならないことが多くにあることに気が付きました。「もっと突き詰めなければならない」と。

自分には自分の考え方を人に納得してもらうだけの知識と説得力がないことに気づいてしまったのです。要は、努力と情熱が圧倒的に薄すぎたということです。本当に、恥ずかしい話です。

もし本当に日本サッカーを変えられるとしたら、このちっぽけな活動とちっぽけな努力と情熱では、到底無理だと思いました。もちろん中には「そんなこと関係なく続けることが大切だ」という方もいるかと思いますが、僕はそうではないと思っています。

これからも「どうすれば日本サッカーを変えられるか?」ということは、サッカーに関わっているうちは考え続けます。そして必ずいつか形にしたいと思っています。その気持ちは変わりません。

ただ、方法は変える必要があると感じています。僕は、まだまだ甘すぎるのです。悲しいですが、現時点では何の才能も、力もありません。ただ、諦めていません。今でも全て年上が正しいとは思いませんし、野望はなくなっていません。

 

|痛感

この期間で、僕の甘いところ、足りないところ、話にならないところ、ダメな部分が姿形を変え、全て降りかかってきました。そういう部分では、ものすごく自分にとっては意味のあるものでした。本当に、何もかもが足りなかったと感じています。

しかし、現時点ではこれに何一つ価値はないと思っています。これからの人生の中で今回痛感したことを改め、それを結果につなげることで初めて価値が出てきます。サッカー以外の部分においても、価値のある人間になれるよう、努力をしていこうと思います。

 

|後悔

後悔も、たくさんあります。結果を出すための努力が足りなかったこともそうですし、予定よりも早く帰国したこと、自分の行動一つとっても、たくさんの後悔があります。

しかし、今はそれをポジティブに捉え、後悔を今後のパワーに変えていこうと思っています。何も成し遂げていない今の段階で、小さな達成感を感じるよりも、大きな後悔が残った方が良いと思っています。

この期間中にしたたくさんの後悔を、これからの人生につなげていきたいです。

 

|迷惑

たくさんの方にご迷惑をおかけしました。

思いついた瞬間大した検証もせずに実行に移し失敗をするというのは、僕のダメなところですが、それによって少なからずご迷惑をおかけした方々がいると思います。

この期間中、多くの方にメールや電話等で連絡をしました。とにかくがむしゃらだったので、失礼な内容もあったかと思います。この記事を読んでいるとは思えませんが、お詫びを申し上げます。

 

|成果

もちろん成果もたくさんありました。そうして、自分が会って話をしたいと思った方や、協力をしてほしいと思った方などに連絡をする中で、素晴らしい出会いにもたくさん恵まれました。一生大切にしていきたいと思える出会いがたくさんあったことが、この旅の一番大きな成果かもしれません。どこの馬の骨かもわからないような人間からのいきなりの連絡にもかかわらず、お返事を下さった方、忙しい中実際に会ってくれた方、本当にありがとうございました。

出会った方々のおかげで、貴重な経験をさせて頂くことが出来ました。僕の方からはなにも還元が出来なかったと思うので、これからのサッカー人生で結果を出し、恩返ししていきたいです。

 

そして、文章を書ける場所を得ることが出来たのは、僕の中で嬉しい成果でした。これまで誰に見せるわけでもなく書きまくっていた文章ですが、勇気を出して世に出してよかったと思っています。まだまだ魅力的な文章は書けていませんが、これからも書くことは続けていきます。能力がない分、コツコツ書き続けることで成長していきたいと思います。

以前、Facebookでサッカーメディア「Shooty」でライターをさせてもらえることは報告をしたかと思います。ここではJリーグについての記事等を書かせてもらったりしているので、自分の知らないことを学ぶことも出来、非常にありがたいです。

shooty.jp

 

 

そして今後、サッカーメディア「DEAR Magazine」でライターを務めさせていただくことになりました。僕がすごく好きなメディアで、代表の方もすごく魅力的な方なので、ここで書かせてもらえることは本当に嬉しいです。僕の夢でもあった「本」についての記事や、今回の旅に関しての記事などを書かせてもらう予定ですので、少しでも「DEAR Magazine」の力になれるように頑張っていこうと思います。ぜひ、見てみてください。

dearfootball.net

 

|成長

一番の目的であった「ヨーロッパのサッカーをこの目で観る」ということに関しては、想像以上に多くの現場を見ることが出来ました。自分のサッカー感や、価値観に成長があることは間違いありませんが、指導者としてはまだ何一つ成果を出すには至っていません。これからの指導者人生において、これを生かし、結果につなげていきます。

人としても日本を出ることで成長したと思っています。2回の盗難にあったことも、良い社会勉強ということにしておきます。日本人以外の文化に触れることはほぼ初めてだったので、これまでにはない学びを得ることが出来ました。

これから歳を重ね、ますます責任を負うことが多くなってくると思いますので、立派な大人になれるよう頑張っていきたいと思います。

 

 

|今後

僕が今後どうするのかということに関して、興味がある人はいないと思いますが(笑)、この旅をしたことで「自分が何をしたいのか」ということに確信を持てるようになりました。指導者として上に行きたいこと、文章を書くことを仕事にしたいことは、どんなに価値観が変わっても、揺らぐことはありませんでした。

細かいことは書いてもしょうがないので書きませんが、これからもこの2つのことを頑張っていこうと思います。

 

そしてこのブログに記事を書くことはないですが、「Looking for Football」を終了するということではありません。これからも少しづつ、もしくはすごく先のことになるかもしれませんが、この「Looking for Football」で色々な活動を行っていく予定です。今回は始まりに過ぎません。これからも、ぜひよろしくお願いします。

 

これから先は、この期間中のようにいちいち自分のことを報告したり、発信をするといったようなことはしないと思いますが、ライターとしての自分はメディアの世界に存在していると思いますので、ぜひ記事を読んでいただけると嬉しいです。

指導者としての自分は、とにかくピッチで頑張っていこうと思います。

 

ちなみに趣味の写真は、カメラ類を全て盗まれてしまったので、しばらくは無理そうです(笑)

 

|確信

話は変わり、なぜこの題名「アイルランドで僕は、全てを失い全てを取り戻した」にしたのかついて、最後に書いていこうと思います。

僕はよく「抜け殻」になることがあります。何かを集中してやった後や、何かに一生懸命打ち込んだ後などに、よく燃え尽きてしまいます。アイルランドで鞄ごと盗まれ、2日間寝込んだ時、僕は少しの間「抜け殻」になってしまいました。こうなると、僕はもう全てがネガティブになり、何もかも後ろ向きに捉え、将来の希望が消え、何もしなくなってしまいます。その時期が果てしなく長い時もあるのですが、今回はある方のおかげで、すぐに抜け出すことが出来ました。

 

アイルランドでたまたま出会うことになったその方とは、不思議なことに、以前に一度同じグランドで、同じ試合を観ていました。そして、僕はその方が指揮をとっていた試合の内容、結果、その方の服装、天気などを鮮明に覚えていたのです。以前僕が指導をさせてもらっていた時に、練習ゲームをしていました。「このコーチ、絶対いいな」と生意気ながら感じた方が、その方だったのです。

もちろん会う前は、その事実を全然知りませんでしたが、そのことにたまたま気付いてからというもの、なんだかものすごく縁を感じ、図々しく、そして馴れ馴れしく、いろいろな話をしてしまいました。

 

その日はチャンピオンズリーグのレアル対マンCが行われ、一緒に観戦をしながらサッカーの話をしていた時に、僕は自分が死ぬほど楽しいことに気づいてしまいました。サッカーを見ながら、ああでもない、こうでもないと話している時、ものすごく幸せだったのです。

その方のおかげで僕はやっぱり、サッカーで生きていきたい、と確信を持つことができ、「抜け殻」から簡単に抜け出すことができました。おそらく、その時一緒にサッカーを見ることがなければ、帰国した後も抜け殻のまましばらく死んだ顔をしていたかもしれません。

本当に、素晴らしい方です。何がいいって、めちゃめちゃ素敵な文章を書かれるのです。僕がこの方に会いたいと思ったのは、このブログを読んだからです。こんなに素敵な文を書く人が悪い人なわけがないと確信していました。最高な文章を書かれるので、ぜひ読んでみてください。何がいいかとか話し出すと止まらなくなるので、割愛させていただきます(笑)

ximcataguele.hatenablog.com

 

こうして僕は、カメラとか、時計とか、カードとか、鞄とか、そしてモチベーションとか、あらゆるものを失ったわけですが、希望という最も大事なものを取り戻したことで、もう「物」はどうでもよくなりました(お願いだから保険は下りてほしい)。帰り荷物が少なくなったから、オッケーということにしとこう。ただ、親友にもらって宝物だった財布や、友達にもらったお守り、そしてずっと書き溜めていた日記も盗まれてしまったことは、非常に悲しいです。

 

|始動

そんなこともあり、また頑張ってみようと思います。この期間、僕にとっては果てしなく長い時間に感じていましたが、実際はそこまで長くはありません。これがただの「思い出」にならないように、1からの再スタートにはなりますが、今までずっと行きたかったヨーロッパに行ったこと自体は、絶対に失敗だとは思いません。

自分のダメな部分としっかり向き合い、これからギャフンと言わせてやろうかと思っています。

 

終わりは、始まりです。

 

とりあえずはこれで一区切りになりますので、もう一度お礼を言わせてください。関わってくれている全ての方に、心の底から感謝を申し上げます。

本当に、ありがとうございました!!!

 

それではまたどこかで!なにかで!みんなも負けんなよ!

 

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