Looking for Football

フットボールと、旅。

【完】「終わりは、始まり」アイルランドで僕は、全てを失い全てを取り戻した。

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ルギーで財布を盗まれ、その後奇跡の出会いで危機を脱し、なんとかアイルランドにたどり着くことができました。そこまでは、Facebookでご報告させていただいたと思います。

しかしその4日後、今度は寝ている間に部屋に侵入され鞄ごと盗まれるという、なんとも馬鹿げた出来事に見舞われてしまいました。2回目の盗難ということもあり、いたって冷静に対処が出来たと思っていたのですが、身体がいうことを聞きませんでした。

その日の夜、知らぬ間に溜め込んでいたストレスによるものか、しばらくの栄養不良によるものか、謎の震えを抑えられず、黒い嘔吐を(食事中の方ありがとうございます)大量生産してしまいました。

 

予定では、アイルランドを出た後もう少しヨーロッパに滞在してから日本に帰国しようと思っていたのですが、ホステルで2日間寝込んだのち、先日帰国を致しました。強い強いと思っていた自分の体ですが、普通に弱かったです。

帰国の予定を少し早めたのは、黒いゲロを吐いたからでも、2日間寝込んだからでもありません。ベルギーの盗難時には無事だった予備のクレジットカードを含め、カメラなどの戦利品を全て失い、ベルギーで借りていた現金も計算上足りないという判断をしたためです。幸い、携帯とパスポートと現金は抱えて寝ていた為無事だったので、今後のことも考え、帰国を決めました。ご迷惑をおかけした方々、お詫び申し上げます。

 

|最後

旅の終わりとともに、今回でこのブログに記事をあげるのは最後になります。

まず始めに、これまでこのブログを読んでくださいました皆様、本当にありがとうございました。そして、出発前、僕の野望を応援してくれた友人のみんな、思っていたようなことが出来ずに、期待を裏切ってしまった形になってしまい、申し訳ございません。

今回の記事は、旅の総括や、反省、後悔、心境の変化や、今後のことなどを書いていこうと思います。もし、興味があれば、この続きも読んでみてください。自分の失敗を晒すのは恥ずかしいですが、ここまでやってきた最低限の責任として、全て書いていこうと思います。

 

|変化

この旅の期間中に、大きく「計画」や「方法」「目的」を変えたことが多くあります。最初から読んでいただいてる方や、出発前に僕の話を聞いてくれた方ならわかるかと思います。

そもそも僕がこのように発信をしながら、アジアとヨーロッパのサッカーを観に行こうと思ったのにはいくつか理由がありますが、「日本サッカーを変えたい」という思いがあったことが大きな理由の一つです。バカだけど、思っていました。

そのために日本にいる間に「なぜ日本のサッカーが勝てないのか?」ということを真剣に考え、自分なりに答えを導き出し、理論を書き溜めておりました。しかし、僕はそれに関する記事を、アジアを出たあたりから一切出しておりません。

ただ分かっておいて頂きたいのは、「日本を出る前」の考えと「ヨーロッパのサッカーを観た後」の考えは、根本的には変わっていないということです。もちろん、考え方の価値観や、ヨーロッパに対する印象など、細かいことを言えば変わっている部分は多くあります。想像と、実際に見るのとでは、やはり全然違います。

しかし、根本の部分は今でも変わりません。日本のサッカー界には今すぐにでも改善しなければならないことが多くあるのは間違いないですし、「文化」レベルから改善をしていくべきです。自分が導き出した理論も間違っているとは一切思いません。若い人間がもっと意見を言うべきだという主張も変わりません。

なかなか理由を一言でまとめるのは難しいですが、要は、今の僕には何もかもが足りなかったということです。

ヨーロッパのサッカーを見ていくにつれ、自分の持っていた考え方に「欠けている」ことがあることや、変えることなく「修正」をしなければならないことが多くにあることに気が付きました。「もっと突き詰めなければならない」と。

自分には自分の考え方を人に納得してもらうだけの知識と説得力がないことに気づいてしまったのです。要は、努力と情熱が圧倒的に薄すぎたということです。本当に、恥ずかしい話です。

もし本当に日本サッカーを変えられるとしたら、このちっぽけな活動とちっぽけな努力と情熱では、到底無理だと思いました。もちろん中には「そんなこと関係なく続けることが大切だ」という方もいるかと思いますが、僕はそうではないと思っています。

これからも「どうすれば日本サッカーを変えられるか?」ということは、サッカーに関わっているうちは考え続けます。そして必ずいつか形にしたいと思っています。その気持ちは変わりません。

ただ、方法は変える必要があると感じています。僕は、まだまだ甘すぎるのです。悲しいですが、現時点では何の才能も、力もありません。ただ、諦めていません。今でも全て年上が正しいとは思いませんし、野望はなくなっていません。

 

|痛感

この期間で、僕の甘いところ、足りないところ、話にならないところ、ダメな部分が姿形を変え、全て降りかかってきました。そういう部分では、ものすごく自分にとっては意味のあるものでした。本当に、何もかもが足りなかったと感じています。

しかし、現時点ではこれに何一つ価値はないと思っています。これからの人生の中で今回痛感したことを改め、それを結果につなげることで初めて価値が出てきます。サッカー以外の部分においても、価値のある人間になれるよう、努力をしていこうと思います。

 

|後悔

後悔も、たくさんあります。結果を出すための努力が足りなかったこともそうですし、予定よりも早く帰国したこと、自分の行動一つとっても、たくさんの後悔があります。

しかし、今はそれをポジティブに捉え、後悔を今後のパワーに変えていこうと思っています。何も成し遂げていない今の段階で、小さな達成感を感じるよりも、大きな後悔が残った方が良いと思っています。

この期間中にしたたくさんの後悔を、これからの人生につなげていきたいです。

 

|迷惑

たくさんの方にご迷惑をおかけしました。

思いついた瞬間大した検証もせずに実行に移し失敗をするというのは、僕のダメなところですが、それによって少なからずご迷惑をおかけした方々がいると思います。

この期間中、多くの方にメールや電話等で連絡をしました。とにかくがむしゃらだったので、失礼な内容もあったかと思います。この記事を読んでいるとは思えませんが、お詫びを申し上げます。

 

|成果

もちろん成果もたくさんありました。そうして、自分が会って話をしたいと思った方や、協力をしてほしいと思った方などに連絡をする中で、素晴らしい出会いにもたくさん恵まれました。一生大切にしていきたいと思える出会いがたくさんあったことが、この旅の一番大きな成果かもしれません。どこの馬の骨かもわからないような人間からのいきなりの連絡にもかかわらず、お返事を下さった方、忙しい中実際に会ってくれた方、本当にありがとうございました。

出会った方々のおかげで、貴重な経験をさせて頂くことが出来ました。僕の方からはなにも還元が出来なかったと思うので、これからのサッカー人生で結果を出し、恩返ししていきたいです。

 

そして、文章を書ける場所を得ることが出来たのは、僕の中で嬉しい成果でした。これまで誰に見せるわけでもなく書きまくっていた文章ですが、勇気を出して世に出してよかったと思っています。まだまだ魅力的な文章は書けていませんが、これからも書くことは続けていきます。能力がない分、コツコツ書き続けることで成長していきたいと思います。

以前、Facebookでサッカーメディア「Shooty」でライターをさせてもらえることは報告をしたかと思います。ここではJリーグについての記事等を書かせてもらったりしているので、自分の知らないことを学ぶことも出来、非常にありがたいです。

shooty.jp

 

 

そして今後、サッカーメディア「DEAR Magazine」でライターを務めさせていただくことになりました。僕がすごく好きなメディアで、代表の方もすごく魅力的な方なので、ここで書かせてもらえることは本当に嬉しいです。僕の夢でもあった「本」についての記事や、今回の旅に関しての記事などを書かせてもらう予定ですので、少しでも「DEAR Magazine」の力になれるように頑張っていこうと思います。ぜひ、見てみてください。

dearfootball.net

 

|成長

一番の目的であった「ヨーロッパのサッカーをこの目で観る」ということに関しては、想像以上に多くの現場を見ることが出来ました。自分のサッカー感や、価値観に成長があることは間違いありませんが、指導者としてはまだ何一つ成果を出すには至っていません。これからの指導者人生において、これを生かし、結果につなげていきます。

人としても日本を出ることで成長したと思っています。2回の盗難にあったことも、良い社会勉強ということにしておきます。日本人以外の文化に触れることはほぼ初めてだったので、これまでにはない学びを得ることが出来ました。

これから歳を重ね、ますます責任を負うことが多くなってくると思いますので、立派な大人になれるよう頑張っていきたいと思います。

 

 

|今後

僕が今後どうするのかということに関して、興味がある人はいないと思いますが(笑)、この旅をしたことで「自分が何をしたいのか」ということに確信を持てるようになりました。指導者として上に行きたいこと、文章を書くことを仕事にしたいことは、どんなに価値観が変わっても、揺らぐことはありませんでした。

細かいことは書いてもしょうがないので書きませんが、これからもこの2つのことを頑張っていこうと思います。

 

そしてこのブログに記事を書くことはないですが、「Looking for Football」を終了するということではありません。これからも少しづつ、もしくはすごく先のことになるかもしれませんが、この「Looking for Football」で色々な活動を行っていく予定です。今回は始まりに過ぎません。これからも、ぜひよろしくお願いします。

 

これから先は、この期間中のようにいちいち自分のことを報告したり、発信をするといったようなことはしないと思いますが、ライターとしての自分はメディアの世界に存在していると思いますので、ぜひ記事を読んでいただけると嬉しいです。

指導者としての自分は、とにかくピッチで頑張っていこうと思います。

 

ちなみに趣味の写真は、カメラ類を全て盗まれてしまったので、しばらくは無理そうです(笑)

 

|確信

話は変わり、なぜこの題名「アイルランドで僕は、全てを失い全てを取り戻した」にしたのかついて、最後に書いていこうと思います。

僕はよく「抜け殻」になることがあります。何かを集中してやった後や、何かに一生懸命打ち込んだ後などに、よく燃え尽きてしまいます。アイルランドで鞄ごと盗まれ、2日間寝込んだ時、僕は少しの間「抜け殻」になってしまいました。こうなると、僕はもう全てがネガティブになり、何もかも後ろ向きに捉え、将来の希望が消え、何もしなくなってしまいます。その時期が果てしなく長い時もあるのですが、今回はある方のおかげで、すぐに抜け出すことが出来ました。

 

アイルランドでたまたま出会うことになったその方とは、不思議なことに、以前に一度同じグランドで、同じ試合を観ていました。そして、僕はその方が指揮をとっていた試合の内容、結果、その方の服装、天気などを鮮明に覚えていたのです。以前僕が指導をさせてもらっていた時に、練習ゲームをしていました。「このコーチ、絶対いいな」と生意気ながら感じた方が、その方だったのです。

もちろん会う前は、その事実を全然知りませんでしたが、そのことにたまたま気付いてからというもの、なんだかものすごく縁を感じ、図々しく、そして馴れ馴れしく、いろいろな話をしてしまいました。

 

その日はチャンピオンズリーグのレアル対マンCが行われ、一緒に観戦をしながらサッカーの話をしていた時に、僕は自分が死ぬほど楽しいことに気づいてしまいました。サッカーを見ながら、ああでもない、こうでもないと話している時、ものすごく幸せだったのです。

その方のおかげで僕はやっぱり、サッカーで生きていきたい、と確信を持つことができ、「抜け殻」から簡単に抜け出すことができました。おそらく、その時一緒にサッカーを見ることがなければ、帰国した後も抜け殻のまましばらく死んだ顔をしていたかもしれません。

本当に、素晴らしい方です。何がいいって、めちゃめちゃ素敵な文章を書かれるのです。僕がこの方に会いたいと思ったのは、このブログを読んだからです。こんなに素敵な文を書く人が悪い人なわけがないと確信していました。最高な文章を書かれるので、ぜひ読んでみてください。何がいいかとか話し出すと止まらなくなるので、割愛させていただきます(笑)

ximcataguele.hatenablog.com

 

こうして僕は、カメラとか、時計とか、カードとか、鞄とか、そしてモチベーションとか、あらゆるものを失ったわけですが、希望という最も大事なものを取り戻したことで、もう「物」はどうでもよくなりました(お願いだから保険は下りてほしい)。帰り荷物が少なくなったから、オッケーということにしとこう。ただ、親友にもらって宝物だった財布や、友達にもらったお守り、そしてずっと書き溜めていた日記も盗まれてしまったことは、非常に悲しいです。

 

|始動

そんなこともあり、また頑張ってみようと思います。この期間、僕にとっては果てしなく長い時間に感じていましたが、実際はそこまで長くはありません。これがただの「思い出」にならないように、1からの再スタートにはなりますが、今までずっと行きたかったヨーロッパに行ったこと自体は、絶対に失敗だとは思いません。

自分のダメな部分としっかり向き合い、これからギャフンと言わせてやろうかと思っています。

 

終わりは、始まりです。

 

とりあえずはこれで一区切りになりますので、もう一度お礼を言わせてください。関わってくれている全ての方に、心の底から感謝を申し上げます。

本当に、ありがとうございました!!!

 

それではまたどこかで!なにかで!みんなも負けんなよ!

 

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「ベルギーで恐怖のサッカー観戦」Jan Breydelstadion, Belgium

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日に財布を盗まれた僕は、いじけてホテルに閉じこもろうと思っていたのですが、この感じ(完全に個人的なスリ被害経験から)だともうベルギーに来ることはなさそうだし、なんだか負けたような気がしたので当初から予定していたサッカー観戦に行ってまいりました。一眼のカメラを持っていくのが怖かったので、今回は全てiphoneでの撮影になります…

スリについて詳細は僕のFacebookhttps://www.facebook.com/kazuma.kawauchi.9?fref=nf&pnref=story)にて笑

 

|片道一時間半の道のり

今回も下調べなしの状態で勝負しようとしていたのですが、僕が行こうとしていた試合をよくよく調べてみると、近くだと思っていたスタジアムがなんと片道1時間半。ベルギーは他の国に比べて電車が複雑でどうなることかと思いましたが、なんとかチケットを購入することに成功。ちなみにブリュッセルの中心地から電車で往復12ユーロ(26歳以上は15ユーロ)でした。

最寄りの駅に着いてから、さらにバスに乗って約10分。ようやく到着!

 

|チケット

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僕がスタジアムに着いたのはキックオフの30分前。スタジアムの前にあるバーには既に人がごった返していました。

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グッズショップの隣にチケット売り場を発見。実はこの時僕はまだチケットを持っていません。観れるかどうかもわからない状態で1時間半をかけて観にくるあたりがバカですが、無事購入することができました。60ユーロとちょっと高めですが、「高くない?」って言ったら食い気味に「当日券だからね」と言われて為す術なしでした。正論。

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|サッカー専用スタジアム

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喫煙者でごった返すゲートから中に入ると、迫力のスタジアムがありました。この瞬間がたまりません。

今回僕が観戦したのはJan Breydelstadion(ヤン・ブレイデルスタディオン)で行われた、Club Brugge vs Genkの試合。Genkは以前鈴木隆行選手が所属していたチームです。

Club Bruggeは今季ベルギーリーグの首位を走るチームで、Jan Breydelstadionは同チームのホームスタジアムです。

現在FIFAランク1位のベルギーですが、国内リーグのレベルは未知数。情報もあまりなかったので、僕が見た感想と特筆すべきことを書いていこうと思います。

 

|試合前のパフォーマンス

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比較的良い席で見ることができました。小さなスタジアムですが、客席はアウェイ席を除いてほぼ満席。特質すべきは、試合前に行われる多くのパフォーマンスでした。

とにかく試合前の盛り上がり方が他の国よりも激しい!ガンガン音楽が流れている中で、レジェンド(多分)的な人がセンターサークルで客席を煽ったり、子供たちが踊ったり、You'll Never walk aloneの合唱もありました。また、ユースチームがなんかの大会で優勝したらしく、選手たちがメダルをかけてピッチを一周していました。試合前からテンションあげるなー!と思っていたら、試合開始から終了まで一貫してうるさかったです。

試合前の様子はInstagramに載せているので是非!

www.instagram.com

 

|サポーターのやかましさ

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言葉のチョイスがあっているのかはわかりませんが、とにかく観客全員が興奮状態で試合観戦をします。またイギリスやスペインとは違った騒がしさで、なんというか、やかましい。

一階席の客席の前には「前に出て文句言うゾーン」(筆者命名)が設置され、判定に対する文句や、得点が入った時にそのゾーンに出て感情を露わにします。審判に対する文句の言い方はとにかく汚い。前まで出て中指を立てながらブーイング。相手選手がボールを持っただけでブーイングをするし、選手がボールを持っただけでものすごい歓声が沸きます。その「やから」感は他国以上でした。

 

|試合のレベル

そんなサポーターに影響されてか、選手たちもなんだか落ち着きのないプレーを繰り返している印象でした。ボールを持とうもんなら「早くせめろ!」と言わんばかりの歓声が聞こえてきますし、それに選手たちが合わせてしまい、簡単なミスを繰り返します。選手が倒れる度に罵声が浴びせられるので、審判も笛を吹かざるをえない状況。

試合は3−1でホームチームが勝利し、サポーターも喜びを爆発させていました!

 

|後頭部に当たる

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客席一つ一つに、名前はわかりませんがパンパンなるこれが置かれていて、これを叩きながら応援する人も多かったです。女子バレー的なノリでしょうか。

これが後頭部に当たるのです。僕の後ろの席は可愛い少年だったのですが、少年と棒を組み合わせたら大変なことになるのは、日本も外国も同じのようです。

後ろの少年が仮におじさんだったら文句を言っているレベルで当たっていましたが、これも一つの思い出として、心の中に収めておきましょう。

 

|怯えながらも

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一度スリに遭うと、とても恐ろしいのです。大げさではなく、常に誰かに狙われているような感覚なのです。そんな状況だったので、行くか行かないかギリギリまで迷いましたが、結果的には無事に観戦を終えることができて、本当に行ってよかったと思います。他の国とはまた違う雰囲気もあり、とても勉強になりました!

ベルギーブリュッセルの街の雰囲気や、人々の行動を見ていると、なかなかのくせ者ぞろいだと感じます。クラクションはめちゃめちゃ鳴らすし、店員は決まって無愛想だし、値段ぼったぐるし、財布スルし笑

よく言えばそのダイナミックな感じが、サッカーの応援の仕方にも表れていました。

ただ、僕がたまたまそう感じただけかもしれないので、皆さんも是非行って確かめてみてください。その時は必ず、財布とケータイをパスポートは内ポケットに入れておきましょう。

 

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「もしも、ブラジルが極寒だったなら」

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トリートサッカーが優秀な選手を育てるというのはよく言った話で、多くの名選手が、幼少期に道端でサッカーをして育ったことだろう。

ストリートでサッカーをすることにより、テクニックがついたり、年上を負かす術がついたり、様々な環境下で技術を発揮できる能力がついたり、多くの効果が見込まれる(のだと思う)。

 

ストリートサッカーというと、南米やアフリカの方が盛んなのかもしれないけど、僕がこの期間中に訪れたアジアとヨーロッパの国の中で最も頻繁にストリートサッカーを見たのは、ポルトガルやスペインだった。道端で少年がリフティングをしていたり、成人したてくらいの青年がボールを持って歩いていたり、道路を小さな子供がドリブルで抜き去っていったりする。

一方オランダや、イギリス、アイルランドベルギーではあまり見かけなかった印象がある。

 

|天気にやる気は左右されるか

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僕がふと思ったのは「そりゃあ天気が悪かったらサッカーやる気にならないよなあ」ということだ。

イギリスは周知の通り、ものすごく住みにくい気候をしている。寒いし、天気が変わりやすいし、いつもどんよりした空模様だ。上記した国々は、僕が訪れたタイミングはとことん寒くて天気が悪かった。もっとも僕は自他共に認める雨男で、一回それが原因で本気で怒られたこともあるくらいだから、いつもその国々が天気が悪いのかは疑問だが。

逆にスペインやポルトガルは、いつも暖かい気候で、常に晴れている。そりゃあ陽気にもなる。考えてみれば当たり前だけど、寒いよりも暖かい方が外でサッカーをしたくなるだろうし、雨が降っている時より降っていない時の方が、外でサッカーをしたくなる。

 

|もしも天気が悪かったら 

f:id:prejump:20160503041659j:imageもしも、ブラジルやアルゼンチンが極寒だったのなら、どうなっていたのだろうか。ここまでブラジルという国にサッカーは普及していたのだろうか。もしこれから異常気象が起きて、アルゼンチンやブラジルが極寒になったら、それでも多くの人間がストリートサッカーをするだろうか。

ヨーロッパの都市のように、人工芝のピッチが多くあって、必ずシャワーが併設されているような場所には、あまり天気は影響しないのかもしれない。やる気がわかなくたって練習は行われるし、いくら寒くてもたくさんジャージを着込むことができる。

もしもブラジルが極寒になったら、サッカーをする機会が今よりも減って、そうなるとあの遊びごごろ満タンのプレースタイルも影を潜めてしまうのかもしれない。もしも施設を整えるほど裕福ではない国の天気が、寒くて、雨ばかりの気候になったのなら、どうするのだろうか。

…なんてくだらないことを考えている。

 

|公園とサッカー

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ここで一つ良いアイデアを思いついた(多分)。

日本でなかなかストリートサッカーを見ないのは、子供達のサッカー人気が低いからでも、やる気がないからでもなく、やる場所を制限されているからだ。

僕が子供の時は(まだ子供だけど)まだ公園でサッカーができた時代だ。でも今はほとんどの公園や広場で、ボールを利用することが許可されていないだろうと思う。

 

公園で思い出したことが一つある。僕は小学生の時、毎日友達と公園でサッカーをしていた。ある時いつものようにサッカーをしていると、同じ学校の女の子が遊具で遊びだした。「〇〇にあてたら100円」という小学生にありがちの賭けを仕掛けてきた友達に、「このような無理難題のチャンレンジの場合はどうせ外れてもお金を払わなくて済む」という根拠のない判断から、僕は「任せろ」と言い放った。

軽く見積もっても30m以上遠くの、高さ3mはあるだろうという目的物(女の子)に向かって思い切りよく飛んで行ったボールは、無情にも彼女の頭部にヒットして、下馬評通り号泣をさせてしまった。死んでお詫びをしたい。僕の最低限のお詫びとして、友達から100円を貰うことは辞退させてもらった。

どうして試合中にあの性格なキックを蹴ることが出来ないのだろか。

 

|雨の日を利用して

半分の人がここで読むのをやめたと思うけど、ここからが僕の(くだらない)アイデアだ。

日本の公園でボールが使用禁止なのは「他人に迷惑になる」というのが大きな理由だと思う。であれば、公園に人なんて絶対にいない「雨の日」のみボールの使用を許可してみてはどうだろうか。

そうすれば、日本の子供が外でサッカーをする機会が増えるかもしれないし、ぬかるんだグランドでサッカーをすれば技術もつくだろうし、サッカーのレベルが上がるかもしれない。

もしもストリートサッカーをすることで一流の選手が多く輩出されるのであれば、サッカー界にとっても、日本の教育にとってもいいアイデアだと思うのは、僕だけだろうか。

 

ただその時は、全国お母さん協会に許可を得なければならない。

雨が降るたびに息子のびしょ濡れのジャージを洗濯するのは、他でもなくお母さんである。

 

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「一人寂しいサッカー観戦 〜その頃おじさんは〜」Amsterdam, Netherlands

民的祝日だったからなのかもしれない。

この日は「キングスデイ」と呼ばれる、オランダの国民的な祝日。街にはオレンジが溢れ、人々は踊ったり、歌ったり、食べたり飲んだり、とにかく騒ぎまくっている。本当にこの国の人々は、自分の国のことが大好きなんだなと思う。日本人が日の丸をつけて騒ぎまくる日なんて、ない。

その日の夜は、チャンピオンズリーグの試合が行われる予定だった。バイエルン・ミュウヘンVSアトレティコ・マドリードというたまらない好カード。サッカーファンなら見逃すことが出来ない一戦である。

当然僕は、猛烈に見たかった。

 

|探し回る

街に出て、バーやらレストランやら、試合が流れている店を探す以外に観戦をする方法はない。ここはサッカー大国オランダ。すぐに見つかるだろうと高を括っていた。しかし、10分探しても、15分探しても、全然見つからない。至る所で人々が盛り上がっているのは間違いないが、どこもかしこもチャンピオンズリーグどころか、サッカーのサの字もない。

やっとの思いで見つけたバーの店内には、5人の若者と1人のおじさんがいた。

 

|初体験

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ヨーロッパに来て、こんなに寂しいサッカー観戦は初めてだった。

ビールを注文し、席に座る。前に陣取った若い5人組と、後ろに座るおじさんとの間。前に座る若い5人組は、どうやら試合を見ていないようだ。ちゃんとサッカーを観ろと説教をしてやりたかったけど、説教ができるほど僕の言葉は流暢じゃない。

試合はアトレティコが早々に先制し、ひたすら守っている。そんな展開だった。

白熱の前半が終わると、その若い5人組は帰って行った。やっぱり説教をしておくべきだった。

 

|その頃おじさんは

後半が始まる頃、店の中は僕とおじさんだけになっていた。聞こえるのは店員がトイレを掃除する音と、いつの間にかリアクションが欧米人っぽくなっている僕の、時より流れるため息だけだった。

試合は相変わらず、バイエルンが攻めて、アトレティコが守っている。

静かだし、一人だし、こんなに寂しい気持ちでサッカーを見るのは、日本で夜中に一人試合観戦をしている時の感情と似ている。僕はずっと、ヨーロッパが羨ましくて羨ましくてしょうがなかった。

そんな煮え切らない思いで試合を観ながら、僕はグアルディオラを見るたびに「おれもハゲたらスキンヘッドにして髭を生やしてスーツを着ればなんとかなるな」とか思っていた、そんな時だった。

 

|叫

バイエルンのアルバが、クロスバー直撃のミドルシュートを放った。これがプレミアリーグだったらシュートを打つ2秒前には「シュー!!」という声でスタジアムが包まれ、クロスバーにボールが当たった瞬間に、全員が低い声を出していただろう。でもここは、僕とおじさんしかいない、オランダの寂しいバーである。

 

その時だった。まさにボールがバーに当たって跳ね返った瞬間、それまで一言も発していないどころか、気配までをも消していたおじさんが

 

「アァアーーーーーーーー!!!!!ゥウ!!」

 

と叫んだのだ。

僕のやや大きめのリアクションはかき消された。

そうそう、こういうの。と僕は思った。こうやってみんながリアクションをとるからサッカーは面白い。得点が入った時、それこそボールがポストを直撃した時、みんな叫べばいい。人々の熱狂によってサッカーは完成をするのだから。

なんだ、居るじゃないか。この試合に熱狂していたのは僕だけじゃなかったのだ。おじさん、一緒に見よう。そう思って後ろを振りかえると、暗い店内で照明に照らされているおじさんは、僕にこう言い放った。

 

「Sorry」

 

それ以降おじさんは、一言も言葉を発することなく、静寂に包まれた店内には無情にも試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

「Sorry」と言われた僕は、あの時何という言葉を返せばよかったのだろうか。おじさんの熱を奪ってしまった僕の罪は重い。

 

オランダには、サッカーを観る人がおらんダ(国民的な祝日に限る)

 

|P.S.

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僕が寂しくサッカー観戦をしたのは、アムステルダム市内にある「PIJPAYA」という場所。

オランダに来て、アムステルダムに滞在し、その日がたまたまキングスデイで、さらには見逃せない一戦が行われていて、もしもあなたがサッカーファンだったら、ここを訪れると良い。ビールが2.5ユーロで飲むことができる上に、テレビを独り占めできるかもしれない。

 

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「Amsterdam ArenA 〜アヤックスの育成組織(をあんまり見れなかった話)〜」Ajax, Amsterdam

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れまでの国では、奇跡的な運の良さによって、事前の下調べをほぼなしの状態で様々なチームの育成を見ることができました。

ここに来て、普通にあまり見れませんでした。

 

|ゴルフ場のような

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個人的には、ゴルフ場のような雰囲気を感じる場所でした。スタジアムから歩いて10分ほどのところにあるこの施設は、プロから育成、レディースのトレーニングで使用されているそうです。大きな敷地には、幾つものピッチ、室内練習場、クラブハウスや駐車場が完備されていました。

空港に着いた勢いでそのまま向かった1日目は、オランダの国民的な祝日であるキングスデイの前日で、中には人がほぼ居ませんでした。唯一発見した係員に予定を聞いたところ「今日と明日はトレーニングを行わない」とのことでした。今までがうまくいきすぎていたのです。ゴルフ場には行ったことがありません。

 

|次の次の日

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再度別の日の夕方あたりに訪れると、トップチームの練習が終わり、選手が出待ちにサインをしているところでした。比較的ゆっくりとファンに対応をしてくれる選手が多かったので、アヤックスファンの方はこのタイミングで行くのが良いかもしれません。ちなみにトップチームは、日頃から午前中にトレーニングを行うそうです。

別のピッチでは、おそらく20歳前後の選手達が、8人ほどで軽いトレーニングを行っていましたが、20分くらい見学したところで終了。そもそも誰も見ていなかったので非常に気まずかったです。

他のピッチでは、レディースの選手がトレーニング。レディースの選手は幾つかのカテゴリー、ピッチに分かれてトレーニングを行なっており、かなりの人数がいました。

育成年年代の選手はというと、入り口付近にある室内練習場のようなドーム場のピッチに入ってしまったので、見学することはできませんでした。

 

|Amsterdam ArenA

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AjaxのホームスタジアムAmsterdam ArenAは、トレーニング施設から徒歩10分程のところに位置しています。左右非対称のこのスタジアムは、他のものとは一線を画しています。かっこいい。
すぐ隣にはアヤックスの公式ショップも併設されており、試合が開催されない日もショップを訪れるファンで賑わっていました。
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少し歩いたところには、スポーツショップを初めとした様々なお店や飲食店が立ち並び、大きな駅もあるので試合日以外でも楽しむことができそうです! 
 

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「FCポルトの陰に隠れたもう一つのチーム」Boavista FC, Porto

然の出会いだった。

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FCポルトの試合を見終わった後、何も食べていなかった僕は、貧乏の味方スーパーを探す旅に出た。ポルトという街は、生活感を出してこないことで有名で(僕の中で)、スーパーや、マクドナルドのようなチェーン店が極端に少ない。

加えてこの街は、坂道だらけだ。登ったり、下ったり、歩くだけで疲れきってしまう。他のヨーロッパの国には、スケートボードやら、ローラーブレードやら、キックボードやら、時にはセグウェイに乗っている人が多いけど、この街には自転車すら走っていない。

ヨーロッパの人は自分が便利ならなんでもする。だからデート中にローラーブレード(僕が小学生の時に流行ったやつ)を余裕で履くし、きっと恥ずかしいなんて1つも思っていない。もし同じことを日本でやったとしたら、デートの当日に彼女に振られ、彼女の友達に噂が広まり、しまいにはSNSでワロタとか言って拡散されるオチが待っているだろう。

だから僕も含めて日本人は、彼女とデートをする時に靴を履く。

そんな海外で便利なのがGoogle map様で、オフラインでも事前に地図を表示しておけばちゃんと機能してくれる。自他ともに認める方向音痴の僕でも、ネットがない海外生活で一回しか死にそうになっていない。マンチェスターで夜中にホテルが見つからなかった時は、死にかけた。

 

|たまたま表示された

そのGoogle mapを頼りに歩いていると、たまたま見えた「ボアビスタFC」の文字。僕はそのチームを知らない。しかも、まあまま遠い。歩いて30分。どうしよう。行ったところで何があるかもわからないし、そもそもサッカーのクラブなのかもわからない。坂道だらけのこの街で30分はかなり億劫だった。

しかし、僕は覚悟を決めた。スーパーでご褒美兼エネルギーとしてスニッカーズを買い、店員に「それだけ」という顔をされ、「それだけ」という顔をし、ボアビスタFCの書かれたその場所へ向かった。

 

|僕は持っている

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スニッカーズと、運を。

到着したと同時にホイッスルが鳴った。

人工芝のグランドで、おそらく20代くらいの選手たちが試合を行っていた。コーチが吠えている。レベルは、高いとも言えず、低いとも言えず…といった感じだろうか。

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ギャラリーもまあまあいる。このおじさんが、ものすごくネットを引っ張るもんだから、もう既にネットは疲れ切っている。選手の年齢が聞きたくて話しかけたら、怒涛のポルトガル語が飛んできて、僕は終始笑顔を見せておいた。一ミリも聞き取れなかった。

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メインのグランドに加え、もう一つ小さなグランドがあり、環境もそこそこいいこのチームは、後々調べてみるとしっかりポルトガル1部リーグに所属するチームだった。ユニフォームが黒と白のチェック柄で、ちょっとダサい。

過去に八百長で3部に降格させられたことがあるみたいだけど、現在は1部リーグで4位という高順位を維持している。八百長も、ちょっとダサい。

 

|相手チーム

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わからない。どこですか。あった。Googleすごい。

どうやらポルトガル2部に所属するチームみたいで、同じポルトにあるらしい。そうなると、おそらくサテライト同士の試合だったのかもしれない。

興味がある人はホームページを見て欲しい。ポルトガル語で何も読めないけど。

padroensefc.pt

 

|ホームスタジアム

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グランドの隣には、スタジアムがある。大きなスタジアムの前には、特徴的なモニュメントがそびえ立つ。多分、この得体の知れない獣が、このチームの象徴なのだろう。

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ポルトダービーは

きっとものすごく熱い。いつか必ず、このボアビスタFCと、FCポルトが戦う試合を生で見て、FCポルトを全力で応援したい。

ボアビスタには悪いけど、僕はもうFCポルトが大好きなんだ。スーパーを探しに出かけて、本当に良かった。

方向音痴で、本当に良かった。


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「Estádio do Dragão」Home stadium of FC Porto

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道を下り、長い階段を下ると、やっとスタジアムと出会うことが出来た。僕が泊まっていたホステルからは長い道のりだったけど、スタジアムのすぐ近くには「Estádio do Dragão」と名前がそのまま使われた大きな駅がある。ほとんどの路線の終点がこの「Estádio do Dragão」になっているくらい、この街にはなくてはならない存在だ。どこからでもアクセスすることが出来る。スタジアムに近づくと、ご丁寧に標識がいたるところに置かれていた。

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この日はアウェイの試合が行われる予定だった。スタジアムには誰もいない。FCポルトのミュージアムが併設されているみたいだけど、この日は閉まっていた。というか、誰もいなかった。

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中の客席が見えるように作られている構造は、中に入りたい気持ちを倍増させる。なんでアウェイなんだろう。

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ただ、モウリーニョの影が一つもなかったのは、少し悲しかった。

 

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「僕はサッカーが嫌いなんだ 〜フランス人の彼は〜」Porto, Portugal

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由は2つある。

一つは、いろんな国の人と触れ合うことが出来るから。そしてもう一つは、お金がかからないからだ。
僕はアジアとヨーロッパにいるこの期間中、すべての国でホステルに泊まっている。ホステルとは、具体的にどういう定義があるのかはわからないけれど、一つの部屋に二段ベットがたくさんあって、シャワーとトイレは共同で、少なくとも綺麗に掃除が行き届いたホテルとは一線を画する、そんな場所だ。
様々な国から僕と同じような理由のもと、多くの人がホステルに泊まりに来る。そのほとんどが欧米人のバックパッカーだ。
 

|共同キッチン

ホステルには共同キッチンというものが必ずあって、夜な夜な欧米人達はそこで料理をし、酒を飲み、パーティーをする。そうなると、必ずと言っていいほどご招待をしてくれるので、これまで何回か欧米人のバックパッカーたちと杯を交わしてきた。
バックパッカーというと、それはそれはそれぞれのキャラクターが濃く設定されている。その日は10人近くの欧米人がいただろうか。その中にはビーチに行きすぎて顔が真っ赤なイタリア人や、疲れすぎて話している途中に寝てしまうカナダ人、そしてサッカーが嫌いなフランス人がいた。
 

|チーズを片手に

ワインを飲まないかと誘ってくれたのは、フランス人の彼だった。
このポルトのホステルに泊まる前に、僕はパリを訪れていたわけだけど、あまりフランス人の印象はいいとは言えなかった。そんな僕の偏見を変えてくれたのもまた彼で、ワインを飲みまくっていたのもまた彼だった。
ワインやフランスの料理、おつまみを振舞ってくれた彼はとても陽気で、フランス語の発音の奇妙さを自虐ネタとして披露し、笑いを取る。鉄板ネタなのかもしれない。
 

|僕はサッカーが嫌いなんだ

フランス人はみんなサッカーが大好きだという僕の偏見を、彼は一蹴した。
僕がいろんな国のサッカーを見て回っていることを話すと、興味深そうに話を聞いてくれて、パリのスタジアムの写真を見せると喜んだ。

一応確認として「サッカー好き?」と聞いてみると、それとは真逆の答えが返ってきた。僕は当たり前のようにこの人はサッカーが好きなんだなと思ったけど、そうではないみたいだ。

すでに酔っ払って携帯を口にくわえている彼は、昔サッカーをプレーしていたという。昔サッカーをやっていて、今はサッカーが嫌いというのはなんとも悲しい話だ。その理由を聞くことができなかったのは、僕もまた酔っ払って頭が回っていなかったこともあるけど、彼が少しだけ悲しそうな顔をしたからだ。
 

|僕にもかつて

サッカーが大嫌いだと言い切れる時期がたくさんあった。今考えるとすごく大げさだけど、サッカーをプレーすることを恐れて毎日毎日泣いていた時期もあったし、どうしたらサッカーをやめられるのか真剣に考えたことも何度もある。彼もまた、そういう感情を持ったことがあるのだろうか。
 
今僕は、こうしてバカなことをするほどにサッカーに惚れ込んでいるわけだけど、今でもたまに苦しかった時期を思い出すことがある。あの時の反動が、今こうして僕の体を動かしているのかもしれない。
 

|本当は

サッカーという素晴らしいスポーツの中に嫌いになるような要素は一つも入っていないんだと思う。というと、サッカーファンの贔屓的な意見になってしまうだろうか。ただ、僕がサッカーを嫌いだった時も今と変わらず素晴らしかったはずだし、人々はこのスポーツに魅了されていたはずだ。
 
それなのに、フランス人の彼のように「僕はサッカーが嫌いなんだ」と悲しい顔で言わなければならないのは、どうしてなのだろうか。
これから先どれだけの人が、このスポーツをプレーすることで、サッカーを嫌いになってしまうのだろうか。
 
もしそうなってしまった時は、フランス人の彼のように、何か他のことで人生が楽しめるといいなあと思う。
 

「ポルトガルのビーチは、FOOTBALLと幸福であふれている 〜僕がヨーロッパにいて気付いた3つのこと〜」Porto, Portugal

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気な人々とビーチが合わさると、これ以上ないほどの幸福に満たされる。それは決して日本人には作ることのできない雰囲気で、このままここで死んでも誰も文句は言わないだろうと思うほどに、一人残らず最高の顔をしている。

そういえば、バルセロナのビーチでも同じ感覚を覚えた。こいつら、なんて幸せそうなんだろう。陽気で、自由で、最高にアホっぽい。悩みはあるのだろうか…

 

ポルトのビーチが、バルセロナのビーチよりも魅力的に見えたのは、FOOTBALLがあったからだ。僕が思っていた以上に、この国はFOOTBALLを愛している。

右を見るとボールを持つ少年、左を見るとボールを蹴る少女、遠くを見るとボールで遊ぶ親子が居た。なんて素敵な人たちなんだろう。

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僕ももしここで生まれていたら、当たり前のようにサッカーを始めて、当たり前のようにFCポルトの虜になって、当たり前のように陽気になって、当たり前のように週末ビーチでサッカーをしていたのかもしれない。サングラスは必須だ。

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ところでポルトガルは、すごく小さな国にも関わらず、世界一の監督と、世界一の選手を輩出している。僕はビーチを訪れて、その理由が少しだけわかった気がした。

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 |気付いたこと

ヨーロッパにいて、気付いたことが3つある。

 

1つ。ヨーロッパの子供達はすごくませていて、大人びた行動をする。子供というより、小さな大人といった感じだろうか。サングラスをかけて、かっこつけて、納得のいかないことがあれば、納得をしない。

日本の子供はそうではない。子供が大人みたいに振る舞うと、きっと誰かに笑われ、大人に叱られる。だから日本の子供は、子供っぽい。子供は子供らしくしていなきゃならないから、日本の子供は大変だ。子供じゃなくて、本当によかった。

 

2つ。ヨーロッパの大人達は、すごく子供っぽい行動をする。何かと自由だし、小さなことは気にしないし、フレンドリーだし、子供よりも遊びまくる。人生の楽しみ方を覚えた子供だ。

日本の大人はそうではない。大人は大人らしくしていないと、他の大人に怒られる。人と違う生き方をすると、陰で笑われる。旅に出ると、意識が高いと揶揄される。どうして僕は、大人になんてなったんだろう。

 

そして3つ。

FOOTBALLというスポーツは、子供が大人のように振る舞い、大人が子供のように振る舞うことで成り立っている。だからヨーロッパの人々には、FOOTBALLがよく似合う。

ヨーロッパの子供は、大人がFOOTBALLをプレーするように、堂々とプレーをする。ミスをしてもしなくても、自分が一番だという顔をする。納得がいかなければ審判にだって、チームメイトにだって怒る。

ヨーロッパの大人は、子供がFOOTBALLをプレーするように、発狂しながらプレーをする。感情をむき出しにし、相手チームと喧嘩をし、監督とだって喧嘩をする。その熱さがなければ、いくら技術があったところでヒョイっと負けてしまう。

 

残念だけど日本人は、子供が子供のままプレーをし、大人が大人のままプレーをする。

 

FOOTBALLをする時や、FOOTBALLを語る時は、日本人を捨てなければならない。

すごく悲しいけど。

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フットボールは少年を青年にし、青年を大人にし、大人を紳士にする。尚かつ大人を子供に戻す力がある。」ビル・シャンクリー 

 

やっとこの言葉の意味を、理解できた気がする。

 

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