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「ポルトの育成施設で史上最高のスクールを見た 〜僕がFCポルトを見に来るべきだと思う理由〜」FC Porto, Portogal

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ルトガルの首都、ポルトにある名門FCポルトの育成施設で、これまで見た中で最高のサッカースクールを見ました。言うまでもなく、そのおかげで僕はFCポルトのことが大好きになってしまいました。今まで各国でサッカースクールを見てきましたが、ここまで他のスクールとの違いを感じたのは初めてでした。正直、スクールに関しては「どこも一緒だろう」と思っていましたが、FCポルトのスクールを見ることで、僕の考えは覆りました。その素晴らしいチームを、僕の無能な文章で伝えると考えると少し億劫ではありますが、興味があれば是非読んでみてください。

 

|Vitalis Park

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と名付けられた育成施設は、ポルトの中心部に位置しています。ポルトに関してほぼ情報がなかったので、ここで育成が行われているのかは半信半疑。僕が訪れたのは午後2時頃。適当に行ってみたけど、誰もサッカーをしていない。併設する事務所の人に聞いてみると4時からユースのトレーニングが行われるということ。ガッツポーズ。

 

|ユースのトレーニング

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ユースのトレーニングは、遠くからしか見れないように規制が張られていました。写真も撮らないように言われたので、あまり撮れていません。

非常に緩い雰囲気でトレーニングが行われ、時間もかなり短かったので、おそらく翌日に試合があるんだと思います。選手は16人と少なく、コーチが3人、ホペイロが1人で見学者もほぼなしでした。

 

|スクール

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それでは、本題に入りたいと思います。

前述したようにスクールは「どこでも同じ」という印象があったので、正直あまり興味がなかったのですが、FCポルトのスクールを見てその考えは変わりました。もし将来自分がクラブ作りに関わるようなことがあれば、こんなチームを作りたいと思いました。

「日本でスクールコーチをしている人全員が、ここに来てポルトを見て欲しい」とさえ思った理由を書いていきます。

 

|工夫された施設

ユースのトレーニンングが終わった途端規制が解除され、ピッチの近くやクラブハウスに入ることができました。

フルピッチが一つ小さなピッチが一つと、これまで見てきた育成機関に比べ小さいことは小さいですが、それよりもこのピッチの素晴らしいところは「親御さんが来やすい・見やすい・応援しやすい」ように工夫されているところです。

 

①カフェテリア

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クラブハウスの上階には、カフェテリアのような場所が併設され、軽食やコーヒー、ビールを飲むことができます。Wi-Fiも完備。これならサッカーを見ることにあまり興味がない親御さんも気軽に来ることができますし、プレーをする選手の兄弟もここで待つことができます。この日は肌寒かったですが、この中でなら暖をとることも出来、非常に素晴らしいと感じました。

 

②あらゆる場所から見ることが出来る

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カフェテリアを出るとバルコニーがあり、上から2つのピッチを見下ろすことができます。主にスクールで使われていた小さなピッチも上から見下ろせるような構造になっており、自分の子供がどこにいるのか一目でわかります。フルピッチの方にはサイドラインに沿って座ることができる場所が設けられ、近くで子供たちを見ることができます。

つまり、親御さんに囲まれてサッカーをするような構造になっているのです。ヨーロッパのトレーニング施設は、ほとんどがスタンド等が設けられ、ギャラリーが来やすいように工夫されています。日本ではあまりないことですが、このように普段から見られることに慣れている選手たちは、日本人よりも大舞台で活躍しやすいのかもしれません。

 

③応援しやすい

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見やすいということは、応援しやすいというです。囲まれているような状況なので、子供達が得点をしたり、良いプレーをした時にとても声をかけやすい。さらに、小さなピッチは声が響くような構造になっているので、拍手や声援が子供達に届きやすい。

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ちなみに施設で特質すべきところは、土のグランドがあえて置かれているところです。他に使えるスペースがあるのにも関わらずここを利用していたので、おそらく意図的だと思います。整った人工芝のグランドとは違う環境でプレーをすることで、あらゆる効果を狙って造られたものなのかもしれません。

 

|コーチの量と質

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スクール生が多いとは言え、それでもかなり多くのコーチがいました。少なく見積もっても20人以上はいるでしょうか。これだけ多くのコーチがいれば、全ての選手に満遍なく目が行き届きます。

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人数だけでなく、全てのコーチが子供たちとしっかり向き合っているように感じました。できるだけ楽しく自由にサッカーをさせながらも、間違った行為にはしっかり目線を合わせて叱り、子供たちとしっかりコミュニケーションを取っていました。だからこそ、子供達はコーチの話をしっかりと聞きます。

これだけの人数のコーチが、しっかりと子供達とコミュニケーションを取ることができれば、素晴らしいチームになることは間違いありません。

 

|皆で応援をする親御さん

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「来やすい・見やすい・応援しやすい」ように工夫された施設では、親御さん達は思う存分応援をします。良いプレーや頑張りを見せた選手達に拍手を送り、得点が入るとみんなで声援を送ります。親御さん同士で協力をして、子供達がサッカーを楽しめるように考えて行動をしているのだと感じました。この一体感が、スクールを素晴らしいものにしている一つの要因であることは間違いありません。

 

|素晴らしい選手達

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そんな素晴らしい環境でサッカーをする子供たちは、本当に素晴らしい選手たちでした。コーチ達の指導を受け、そして親御さんの応援に乗せられながら、心の底からサッカーを楽しみ、真剣にプレーをし、本気で喜び本気で悔しがる。サッカーをする彼らの顔を見ていると、こっちまで幸せな気分になりました。

小さな子供達は主にゲームのみでしたが、上の学年になるとゲームだけではなく、様々なメニューが組まれていました。小学6年生くらいの選手達は、みんな本当に技術がある。それ以下の学年でも紅白戦は真剣勝負で、小さな子供達がしっかりとパスを回す姿に驚かされました。

 

|全員が協力をして子供を育てる

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コーチ同士で頻繁にコミュニケーションをとり、親御さんはみんなで協力をして応援する。ヨーロッパ特有の自由な雰囲気の中にも、しっかりとした教育がされている。

小さな子供達がサッカーを「楽しい」と思うことは、一番大切なことだと思います。しかしそれに加え、しっかりと教育をしていかなければなりません。ただ自由にサッカーをすることでその瞬間は楽しむことができますが、それ以上の本当の「楽しさ」を味わうことは出来ません。その両方を味わっているFCポルトの子供達は、本当に幸せだなと感じました。

 

施設全体が「子供達を育てる」という目的のために存在している。その素晴らしい雰囲気が、僕がこれほどまでにFCポルトのスクールに惚れ込んだ理由です。

僕の中では、このスクールを超えるスクールは過去になかったですし、これからもないのかもしれないと思っています。

日本にも、このような素晴らしいスクールがたくさんできることを願っています。

 

|試合観戦

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翌日、彼らの試合を見ることが出来ました。小学生低学年くらいの試合でしょうか。こんなに素晴らしいチームが、しょうもない試合をするはずがありません。練習と同じように大人達は目一杯応援をし、子供達は最高の表情でプレーをする。相手チームもまた本当にいいチームで、FCポルトは負けてしまいました。それでも自分たちよりも大きな相手に勇敢に向かっていく姿、負けても堂々とチームみんなで円陣を組む姿、何よりFCポルト全体から出るファミリーのような雰囲気は、これまでのチームにはなかった魅力でした。みんな体は小さいですが、バルセロナの同世代よりも、はるかに技術のある選手達でした。

 

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魅力を伝えられたのかどうかは疑問ですが、少しでも何かを汲み取っていただければ幸いです。

 

本当にFCポルトは、素晴らしいチームです。

このチームに出会えたことで、僕のサッカー人生は変わりそうです。

 

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