Looking for Football

フットボールと、旅。

「いつの間にか彼は」Watford FC U-21 vs Bolton Wanderers FC U-21

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Watford FC U-21 vs Bolton Wanderers FC U-21の試合は、イングランド6部リーグに所属するSt Albans city FCのホームスタジアムで行われた。

広大な規模の公園の一角にあるこのスタジアムは、イングランドフットボールの原点を垣間見ることができる。6部リーグに所属するようなチームでも、必ずホームスタジアムを持ち、毎週ここで試合が開催されている。

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|これがフットボール発祥の地

ある意味アンフィールドよりも感動を覚えた。スタジアムと呼ぶのが正しいのかどうかすらわからない小さなスタジアムには、ホームとアウェイに分かれたゲートがあり、チームグッズショップがあり、そしてチームのバーがある。

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メインスタンドにはしっかりと座席も用意されてあり、プレス席もある。本当に、小さなスタジアムだが、大きなスタジアムと同じ役割を果たす。

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|そのおじさんは

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そのおじさんは「WHO ARE YOU」と笑いながら話しかけてきた。僕は彼の顔を死ぬまで忘れないと思う。日本人であることを伝えると、日本人女性の話をふっかけてきた。やはり日本人女性はどこの国でもモテるようだ。「ロンドンの女はどうだ?」そう言われた僕は満面の笑顔で「もちろん最高」と言っていた。おじさんは、笑っていた。

こういうおじさんのおかげで、決して光を浴びることのないローカルなスタジアムは、最高の雰囲気を保つことができている。

 

|いつの間にか彼は

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ワトフォードの監督は、オーストラリア人でリバプールでもプレーをしたキューエルだ。彼はいつの間にか現役を引退し、そしてひっそりとここで監督をしていた。とても気さくで、優しくて、何よりかっこよかった。「キューエルと写真を撮りたいんだけど」さっきのおじさんに告げると、「君の幸せは僕の幸せだ」とかなんとか言って、ウォーミングアップに入るキューエルを引き止めてくれた。おじさん、絶対忘れない。キューエルよりも忘れない。

 

|それでも熱い試合を

客はだいたい20人くらいだろうか。その他にはチーム関係者、またはスカウトマンがいた。地元の熱狂的なファンの親子が、とてつもなく味が出ていて、なんだか嬉しくなってしまった。こうして親から子へ、地元のクラブへの愛が引き継がれていくのだろう。

U-21のリーグ戦と言えども、非常にレベルの高い試合を見ることができた。チェルシーのユース選手たちを見たときもそう感じたが、彼らはすでに大人と同じ雰囲気を持ち、同じ基準でサッカーをしている。当然、試合も熱い。日本のユース世代にはない熱さが、ここには存在する。

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試合に引き分けて不機嫌なキューエル。先に写真を撮ってもらっといてよかった。

 

イギリスではロンドン、リバプールマンチェスターワトフォードでサッカーを感じることが出来た。ヨーロッパの中で最も憧れていた場所がここだ。今は無理でも、いつか指導者としてこの場所でサッカーに関わりたい。その気持ちを再確認することが出来た。

 

|最後に

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最後に、この充実したイギリスでの生活は、旅の途中で偶然出会ったKさんから紹介をしていただいた、Iさんがいなければ決して成り立つものではありませんでした。何一つ計画をしていなかったばかりか、イギリスに一人も知り合いがいなかった僕が、こんなにたくさんの貴重な体験をすることができました。Iさんのおかげで、本当に多くのことを学びとることが出来、貴重な体験をさせていただきました。
これまでいろんな国で出会った方々には、なんとお礼を申し上げればいいのかわかりません…

これまでも、許可を取っていないのでブログに書くことは控えさせていただきましたが、本当にたくさんの方に助けていただき、サッカーを学ぶことができています。いつか必ず夢を叶え、恩返しをさせてください。

 

みなさん、本当にありがとうございます。

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「歴史ある街リバプール」Anfield Liverpool, England

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※これはアンフィールドではございません

 

朝5時前。ロンドンから移動し、アンフィールドがある街リバプールに到着。とにかく寒い。暗い。
明かりを求めてやっと見つけたのが、旅人の3大味方マクドナルド。
中に入ると、それはそれは大きなカルチャーショックが待っていた。朝帰りの若者たちが地べたに座りこみ、何やら騒ぎまくっている。地面にはゴミが散乱し、足の踏み場を選ばなければならない。何だ、これ。店員が全く気にしないのを見ると、これが日常なのだと判断できる。外に出ると、少し明るくなった街にもまた、ゴミが散乱している。
彼らが発するとてつもないパワーを目の当たりにして、こいつらがサッカーファンだったらやばいなと思った。こいつらは、サッカーファンだった。

 

|歴史ある街リバプール

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この街には歴史とプライドがある。ビートルズが誕生した地、リバプールFCエヴァートンFCというフットボールクラブが生まれたこの街には、幾つものミュージアムが建設され、自らの歴史をこれでもかと見せつけている。港にあるリバプールミュージアムではこの街の歴史を覗くことができ、港町の成り行き、ビートルズや競馬、ボクシング、もちろんフットボールの歴史についても多くの展示品が飾られている。フットボールがこの街の歴史の一部であることを感じることができた瞬間だった。

 

|スタジアムの周りは

酒とおっさんで溢れいてる。
アウェイのドルトムント戦から中2日。ホームでストークシティ戦が行われるアンフィールドは、多くのリバプールファンで満たされている。非公認ショップが立ち並び、声の大きなお兄さんやお姉さんが、タオルマフラーを売りさばいている。

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その隣にはパブがある。というか、そこら中にある。リバプールファンは、キックオフギリギリまでここでビールを飲み、一通り仲間と騒いでから会場に入る。それはとんでもない雰囲気だった。一度入れば出ることは非常に難しい。

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ちなみに、同じリバプールに本拠地を置くエヴァートンFCのホームスタジアムは、アンフィールドから徒歩5分の場所にある。意外にも先に出来たのはエヴァートンの方で、プレミアリーグの前体制の初期からあるチームの一つだそうだ。もちろんリバプールエヴァートンはライバル関係なんだけれど、リバプールマンチェスターのような憎み合うような関係ではなく、兄弟喧嘩をするような間柄だそうだ。

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THIS IS ANFIELD

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試合開始前までは客がまばらだが、キックオフと同時にリバプールファンで埋め尽くされる。席と席の間はないに等しい。このスタジアムの雰囲気に加え、観客が作り出すプレミアリーグの試合は、文字どおり最高だった。あの雰囲気で熱くならない人間はおそらくいない。試合は4ー1でリバプールの勝利。先制点は豪快なミドルシュートだった。ボールがネットを揺らすコンマ数秒前には座っていた観客が一人残らず立ち上がり豪快に両手を突き上げる。その瞬間が、僕にはたまらなかった。ファールに対する罵声、不可解な判定に対するブーイング、良いプレーに対する拍手、そのすべてがこのスタジアムを作り上げる。

FOOTBALL発祥の地にあるこのスタジアムは、FOOTBALLそのものだった。

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ユルゲン・クロップ

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この日も彼は、選手とともに戦っていた。身振り手振り、笑ったり怒ったり、ハグしたり。
試合を終えた後、帰りを待っていたファンに、クロップは充分すぎるほどのファンサービスをして帰っていった。まじかで見た彼は、大きくて、優しくて、そして抜群にかっこよかった。

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これからもこの偉大なチームの歴史は、偉大なサポーター、偉大な街、そして偉大な選手たちと共に、続いていくことだろう。

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「スタンフォードブリッジで起きた奇跡」Chelsea FC Youth vs Blackburn Youth

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Chelsea v Blackburn

FA Youth cup semi final 2nd leg 

Kickoff 19:45

Friday, 8 April 2016

表します。Looking for Footballではこれまで、著者河内一馬の勝手な判断により、キャラを一定に保つため「である」口調を使い、おかまじゃないのに「私」を使ってきました。そのため少々、皆様に誤解を招いていたかもしれません。「あれ?こいつテンションむずくない?つまんなそうじゃない?」そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、興奮を必死に「である」口調にて押さえ込んでおりました。世界中のサッカーを見ている私が、いや僕が、興奮しないはずがありません。

今回、スタンフォードブリッジで試合を観戦したこと、そしてその時に起こった出来事により興奮がマックスに達し、真面目なキャラクターを保つことがどうでもよくなってしまったので、これからはいろんな書き方をしていこうと思います。

自分で勝手に作っていた縛りを、解き放つことを宣言します!(知らない)

 

スタンフォードブリッジで試合が観たい

それはそうです。スタジアムから徒歩10分のユースホステルに泊まっているこの状況で、中に入らずに次の国に移動することは出来ません。ましてや僕が指導者を目指したきっかけであるジョゼ師匠の古巣です。ここにモウリーニョが来ていたと思うと、もうそれはそれは呼吸が苦しいです。モウリーニョがもしどこかのチームで指揮をとっていたら僕は、間違いなく全財産(少ない)を使ってでも観戦に行ったと思いますが、なんともタイミング悪く休暇中ということで、せめて同じ空気を吸おうと思ってここにきたわけです。

 

|のくせに

何も計画をせずに日本を飛び出してきた僕は、僕がロンドンにいる4日間で試合があるかどうかさえ調べてこないというミラクルを起こしていました。

セルフミラクルを起こしていた僕に、ここで神様からの贈り物が届くことになります。僕は見事スタンフォードブリッジに入り、人生の夢の一つである「プレミアリーグ観戦」を叶えることができました。入った瞬間、ちょっと泣きました(一人でよかった)。それぐらいの感動だったのです。

では、僕が起こしたミラクルを書いていくので、興味のある人は読んでください。興味のない人は、読んでください。

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|【ミラクル1】たまたま通りかかる

さすがに泊まる宿は決めていました。ヒースロー空港からどれくらいの距離なのか、どうやっていくのかもわかっていませんでしたが、「チェルシー」という名前だけで決めた一泊1000円くらいのクソやすいユースホステル。もちろん、スタンフォードブリッジの場所も知りません。

空港からよく分からないまま電車を使って辿り着いた駅からは、案の定徒歩30分ほどの距離でした。夜の街を適当に歩きながら、宿に向かう途中、ミラクルは起きました。あったのです。右に。ショップをまず発見して「なるほどチェルシーショップが色んなところにあるのね」と思った2秒後。なんかおっきいのがあります。

 

|【ミラクル2】無視する

疲れていたので、信じませんでした。おそらく幻覚だと。友達と思い出話しをする時に「たまたまスタンフォードブリッジ通りかかったらさー、」なんていうオシャレすぎる入り口で話しをする自信がなかったのです。

 

|【ミラクル3】やっぱりあった

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翌日の早朝、昨日の幻覚を確かめにその場所へ行きました。幻覚じゃありませんでした。人は強く願っていたことが叶うとわかった時、躊躇します。いいのかと、ここで願いが現実になっていいのかと。僕はその現象が起き、まじまじと見るのを避けました。そもそもカメラ持ってきてないし、スタンフォードブリッジは無くならない。また後で来よう。そう決心した僕は、目を半分だけ開け、スタンフォードブリッジを後にするのです。

 

|【ミラクル4】ユースの試合が開催される

と、書いてあるではありませんか。これぞ奇跡。何も知らなかった僕に、翌日の19:45ここで試合が行われるという案内、そしてチケット発売中の文字。しかもユースの試合。神様、俺これめちゃめちゃ観たいです。

 

|【ミラクル5】あとにする

バカです。「また後で来た時でいっか」というなんとも浅はかな理由から、僕はその時チケットを買いませんでした。ユースの試合だし大丈夫だろうと甘く見たので、ジョゼ師匠に怒られたいです。

 

|【ミラクル6】売り切れる

夕方、カメラと三脚を持ち、気合満々でスタンフォードブリッジに行った時、チケットは既に売り切れていました。

チケット係「売り切れです」

僕「え?」

僕「え?」

チケット係「」

僕「え?」

3回聞き直しました。英語が聞き取れなかったわけではなく、現実から目を背けたのです。バカでした。あの時、買っていれば、むしろ昨日の時点でスタンフォードブリッジを幻覚だと思わなければ、僕は難なく試合を観戦できていたかもしれません。

 

|【ミラクル7】諦めない

僕は諦めないのです。試合当日、僕はチケットを持たずにスタジアムへ向かいます。チケット落ちてないかなという発想です。

キックオフ時間を過ぎても、僕はスタジアムの外で途方に暮れていました。でも、僕は諦めないのです。

 

|【ミラクル8】聞きまくる

誰かチケット売ってない?とアホな東洋人が聞きまくります。でも、誰も有力な情報は持っていませんでした。もう無理かと。諦めてご褒美に(なんの)バーガーキング行くか。ロンドンに来てからクソ安い味のしないパンしか食べてないし。そう思っていた矢先でした。

 

|【ミラクル9】おっさんが、くれる

チケット売り場の前にいたスーツを着てIDカードを首から下げるおっさんに、ダメ元で「試合見たいんだけど、チケットもうないよね?(ちょっとかわいそうな顔)」と尋ねると、なんと、くれました。

おっさん「これやるよ。タダだ。この坂道を登って中に入れ(素敵すぎる笑顔)」

僕「え?」

おっさん「(素敵すぎる笑顔)」

僕「え?」

僕「え?」

3回聞き直しました。英語が聞き取れなかったわけではなく、嬉しさのあまり聴覚が落ちていたのです。

 

|【ミラクル10】入れる

いや待て待て!!!そんなことはない!タダでもらったし、ちょっと折れてるし、これはよくあるブリティッシュジョークだ!むかつくぞあの笑顔!騙しやがっ入れターーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!

いいのね?!入るよ!?って何回もジョゼ師匠に問いました。

僕「いいのね?入るよ?」

モウリーニョスペシャル・ワン」

なんか意味わかんないこと言ってるけど、とりあえず許可が出たので、ここで晴れて中に入ることに成功したのです!ありがとうおっさん!

 

【ミラクル11】美しすぎるスタジアム

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それはもう、格別でした。テレビで見るあれです。ピッチとの距離が近い…

これまで旅を続けてきて中で、いろいろ悩みや苦労は尽きませんでした。こんなに幸せなことをしている自分は、この先のことは何も決まっていない。この後どうなってしまうのかもわからない。常に不安がつきまとい、夜しか眠れませんでした。でも、ここに来て、本当に全てが報われた気がしました。とにかく、Footballを感じろよと、神様が言ってくれているようで、ちょっと涙が出ました(2回目)

僕「ありがとう…」

モウリーニョスペシャル・ワン」

僕「」

 

|【ミラクル12】最高の雰囲気

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きっとユースの試合だから人数を制限していて観客は少なかったですが、それでもここの人たちが作り出す雰囲気は、格別でした。拍手のタイミングや、得点が入った時の歓声、悪いプレーに対する怒り、ダサいミスの対しての笑い、そのすべてが相まって、最高の雰囲気を作り出します。

選手たちはと言うと、プロ顔負けのプレー、そして振る舞い、もうなんといったらいいか…

 

|【ミラクル13】U-18

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こいつら、どうやら18歳以下。嘘だと言って欲しい。隣のおっちゃんに聞いたら「18歳以下だよ」とさらっと言うから、信じなかったけど、確かにユースだし、改めて電光掲示板みたらしっかり書いてある。嘘だ。
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このポグバみたいなやつも18歳以下。嘘だ。日本人の高校生では、絶対に勝てないと、残念ながら確信してしまいました…

 

|これから僕は

どうなってしまうんでしょう。この後僕はリバプールにいって、憧れのアンフィールドプレミアリーグを観戦します。比べものにならない興奮と、雰囲気が待っていることを想像すると、会いたくて会いたくて震えます。クロップのサッカーを生で見れること、そしてYou'll never walk aloneを生で聴けること。安心してください。おしっこ漏らしたら、しっかり発表します。

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iphoneの画面が木っ端微塵に割れた以外は、本当にいい1日でした。

これからもミラクルが起こることを信じて、もがき続けます。

 

筆者FacebookKazuma Kawauchi

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STAMFORD BRIDGE Chelsea, London

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Stamford brigeと名付けられたスそのタジアムは、一度に42,000人のサッカーファンを魅了する。とてつもない存在感を放っているChelsea Football Clubのホームスタジアムは、この街の象徴だ。

 

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Fulham Broadway Stationから徒歩10秒というアクセスの良さを持つこのスタジアムには、連日多くの人が訪れる。敷地内にはホテルやレストラン、そしてグッズショップが立ち並び、試合がない日でもそこは、チェルシーファンを楽しませる。

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そのおばさんの動きは、まるでアザールのドリブルのようだ。4月8日、ここでチェルシーユースの試合が行われる。チケットを買おうと思い入り口のおばさんに話しかけたら「たぶんないと思うわよ!知ってる通り、チェルシーはユースの試合も、レディースの試合もすごく人気なの!」と言いながら売り場まで連れて行ってくれたその人は、ものすごくテンションが高い。チェルシーのジャンパーを羽織ったおばさんは、僕がお礼を言おうと思った時には、もうそこにいなかった。早い。

 

この街には、サッカーが溢れている。まさにここは、サッカーの街だ。

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試合があるたびに人が集まり、ビール片手に文句を言いながら試合を観戦している。もしこんな生活を送ることができたらと考えるだけで、寿命が縮みそうだ。

 

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ドアの隙間から見えたピッチは、明日のチケットが買えなかった私をこれでもかというくらいに、誘惑している。

 

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「青いチームのサポーターは、勝敗を左右した」Pakse, Laos

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ロサッカーリーグの試合というよりは、何か地元のお祭りのような雰囲気だ。大きな横断幕もなければ、客もまばらで、多く見積もっても100人前後だろうか。入場料がかからないところが、地元の祭り感をより強くする。

そういえば、ラオス人はお祭りが好きらしい。

試合が始まってしばらくは、Pakse, LaosにあるChampassack Staiumで行われたこの試合が、私の予想をはるかに超えるエンターテイメントになろうとは、考えもしなかった。

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青いチームのサポーターは、ビールを片手になんだかペチャクチャ独り言を喋っているおじさんや、旗を振るわけでも仕舞うわけでもなく、ただ持っている青年、そして少数の美女たちで構成されている。美女というのはちょっと言い過ぎたかもしれない。どうやら青いチームがホームらしい。こいつら、絶対サッカー知らない。と思ってしまった私は、サッカーをわかっていなかった。

試合が始まると、それはそれはつまらないサッカーを繰り広げている。青いチームがファールをして、赤いチームがファールをする。ファールを訳すと反則だということを、きっと彼らは知らない。とてもうまいとは言えないサッカー選手たちが、バラバラのポジションを取りながら試合を進めていく。もしこれが日本だったら私は家に帰って、ブツブツと文句を言いながら夜ご飯を食べていたかもしれない。でも、ここはお祭り好きのラオスだった。

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前半0対0で迎えた後半、独り言を喋っていたおじさんがやがて独り言の範疇ではなくなり、持っているだけだった旗を青年が振り回し、少数の美女たちは奇声をあげている。2点を先制された青いチームは、ここから最高のドラマを演出することになる。

青いチームのサポーターは、とにかくうるさい。ファールが起こるたびにブチ切れて、いいプレーが起こるたびに最高の笑顔を見せる。そんなサポーターに背中を押された選手たちは、前半とは比べものにならないほどのバランスの悪さで、とにかくゴールを奪いにかかる。一点を取り返した瞬間、サッカーの神様は180度、態度を変えた。

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私は思った。そうそう、これがサッカーだ。サッカーは、人間を狂ったように熱くする。入るかどうかもわからない得点を、90分間も待ち続けるサポーターは、その喜びや不満を体全体で表現する。サッカーとは、こういうものだ。怒号が飛び交い、歓声が湧き、時に溜息をつくスタンドは、サッカーそのものだった。サッカーは、人を狂わせる。

青いチームのサポーターは、周りの目なんか気にしない。「あの人頭おかしい」と思われることより、チームの勝敗の方が10倍大切なのだ。そんな彼らの力で、選手はパワーを取り戻し、そしてサッカーの神様の気分を変えることに成功した。

 

青いチームのサポーターは、勝敗を左右した。

 

客もまばらで、決して高いレベルとは言えないサッカー。もしこれが日本だったら、一部の熱狂的なサポーターは白い目で見られ、選手の彼女たちが客席でSNSを更新し、日焼けが目的のおじさんは、上半身裸で寝ているだろう。

私は、ラオスというサッカー未開の地で、本物のサッカーを見た。時にサポーターは、試合を勝たせることが出来る。

青いチームのサポーターは、勝利に酔いしれ、踊り狂った。まるで、お祭りのように。そうだ、ラオス人はお祭りが好きだった。
でも、それくらいしてもいいと思う。試合に勝ったのは選手ではなく、君たちなんだから。

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ふとスタンドを見上げると、100人前後だった客席は、その5倍くらいに膨れ上がっていた。

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試合の終わったピッチでは、次は俺たちの番だと言わんばかりに、子供達が楽しそうにボールを蹴っている。

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初めてのラオスリーグ観戦は、最高に熱くて、そして最高に暑かった。

 

筆者FacebookKazuma Kawauchi

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Phnom Penh, Cambodia

ンボジアとは一体どんな場所なのか。私は何も知らない。

こんなところにサッカーの文化が存在しているのかどうかは、もっと知らなかった。私はカンボジアに滞在していた数日間で、それついての偏見を全て覆されることになる。

 

|街のグラウンド

そこには確かに、サッカーがあった。街の一角に佇むグランドは、熱気に満ちている。それが気温のせいなのか、それともここでサッカーをプレーする人々の熱気なのかはわからない。f:id:prejump:20160330004629j:imagef:id:prejump:20160330004701j:imagef:id:prejump:20160330004732j:image

小さな子供から、太ったおじさん、そして美人な(もちろん美人ではない)女性までもが同じグランドでサッカーを楽しむ光景は、僕の偏見を覆すのには充分だった。

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彼らは皆、サッカーを好きでやっているに違いない。コーチも、うるさい親も、誰もいないこのグランドでサッカーをすることが、好きなのだ。コーチに指図される彼らは想像できないが、それはそれはつまらなそうな顔をするんだろう。

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彼はゴールキーパーだそうだ。「どうしてキーパーなの?」と聞いたら「楽だから」と答えた彼に、お前、ゴールキーパーなめるなよ。とは言わなかった。

ここで日々サッカーを楽しむ子供達が、いつか日本人と試合をする日が来るのかもしれない。その時までに、キーパーへのバックパスは手で触ったらいけないのだと、教えてあげないと。

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|スタジアムが

たくさんある。バイクで数十分の範囲内にいくつものスタジアムが存在していた

。オリンピックスタジアムと呼ばれるこのスタジアムは、オリンピックとは縁もゆかりもない。

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とてつもなく大きなこのスタジアムには、サッカー協会が併設しているらしいけど、どこだ。客席に椅子が設置されているのはメインスタンドだけで、あとはコンクリート。それが私には新鮮で、美しさを感じさせた。日本代表も、カンボジア代表との試合でここを訪れている。

 

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通称アーミースタジアム。その名の通り、軍のチームが所有するスタジアムだ。スタジアムと言っても、客席はごくごく少数で、グランドも剥げまくっている。グランドキーパーが水をまいていたけど、多分、まいているだけだった。日本人も所属しているらしい。私が写真を撮っていると、子供達の叫び声が聞こえ、気付いたら目の前に3人の子供がいた。可愛らしい子供達は、写真の被写体になることを希望しているようだ。

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彼らもまた、もう少ししたらサッカーを始めるのだろうか。

 

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カンボジアの名門チームが所有するスタジアムは、サッカー専用だ。スタジアムの裏にはトレーニンググランドも設置され、環境は申し分ない。欧米人も何人か所属していて、話を聞こうと思って声をかけた欧米人は、選手ではなく、監督だった。カンボジアにも欧米人の指導者がいることに、驚いた。

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|いつか

この国にも、アジアで強豪になる時が来るかもしれないし、来ないかもしれない。サッカーの運命は、神様だって知りやしない。日本や、その他アジア諸国のサッカー後進国は、どれだけの情熱を持って、国を挙げて強化していくかにかかっている。

でもきっと、彼らまだ、そんなことまで考えていないだろう。とにかく今は、サッカーを楽しむ。そんな風に、僕の目には映った。

カンボジアには、確かにサッカーが存在していた。

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PANAAD STADIUM -Bacolod, Philippine

ィリピン・バコロドは、サッカーが盛んではない。現地の人に話を聞くと、フィリピンでスポーツといえばバスケットボールが一番に挙げられ、ボクシングやバレーボールが後に続く。レストランではNBAの映像が流れ、少年が楽しそうにストリートでプレーするのは、決まってバスケットボールである。現地の人にサッカーの話をすると「90分長いよ」と決まっていうけれど、全然わかってないと声を大にして言いたくなる。というか、言う。

そんな街で唯一サッカーを感じることができるのが、ここPanaad Stadiumだ。

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フィリピンの交通手段であるジプニーを乗り継ぎ、隣に座るおじさんの何語だがわからない話を聞きながら、僕はPanaad Stadiumに辿り着いた。おじさんは、なぜそんな場所に行くのかを尋ね、そしてそこには何もないということを教えてくれようとしていたのかもしれない。おじさん、僕は今着くのかどうかもわからない乗り物に乗っているんだから、そんな余裕はないんだ。

f:id:prejump:20160320175259j:image 収容人数15,500人の小さなスタジアムは、大きな公園の中にある。その存在感の薄さは、まるで住む人がいなくなった古民家のようだ。普段は現地人の憩いの場になっていて、ごく稀にサッカーの試合が行われたり、お祭りが行われたりするというのは、現地の人から聞いた話だ。こんなところで試合なんて出来るの?と疑いそうになるが、ついこの前はACLの国際試合が行われ、かつてはU-16日本代表もここで試合をしている。らしい。

 

スタジアムの中といえば、それはまさに公園だった。スタンドのある、公園。サッカーのスタジアムであるということは、おそらく誰も思っていない。自由に入ることができるスタンドとピッチには、タンクトップを着たおじさん、ギターを弾く青年、音楽を聞きながら話すカップル、そして友達と写真を撮り合う女の子がいた。見るからに日本人である僕は、ここにいる間中、物珍しそうにジロジロ見られ続けることになる。

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ピッチの周りには白いロープが張られ、中に入ることはきっと許されていないのだけれど、おしゃれな写真をあげることに命をかけている今時女子に、白いロープは見えていない。

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スタジアムの外では、少年少女たちがそれは見事にサッカー以外のスポーツを楽しんでいた。バスケットボール、ダンス、スケートボード、自転車…。インテルのユニフォームを身にまとい、唯一サッカーを感じさせたこの少年は「インテル好きなの?」と聞いた僕に対して微笑みをくれたけど、あの感じ、多分インテル知らないんだろうな。 f:id:prejump:20160320175700j:image

Panaad Stadiumはサッカーが盛んじゃないこの街を、象徴しているような場所だった。いつかまた、今度は試合があるときに、ここに来たいと思う。この街にも、サッカーの面白さがわかる時はくるのだろうか。来てほしいと願う。そしたらこのスタジアムも、ちょっとは報われるんじゃないだろうか。

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帰り道、どのジプニーに乗ったらいいかわからない僕を優しく案内してくれたおっちゃんと、「ダウンタウン行く?」って聞いたら満面の笑みで「ダウンタウン!」と返してくれた運転手のおかげで、僕は無事、帰ることができた。行くかどうか聞いたんだけど。

なんだか懐かしいような感覚をくれて、静かでゆっくりとした時間を過ごさせてもらったから、帰りのジプニーで一緒に乗り合わせた子供たちに「アンニョーン!」ってからかわれたことは、許そうと思う。もう何人とか、どうでもいいや。

 

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【若い指導者が頭角を現わすことがない日本サッカー界】その理由を考えなければ変化は起こらない

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織に「変化」「緊張」「危機感」をもたらすためには、新しい顔の人間が組織をある意味で乱し、かき回す必要がある。日本サッカーという組織には、その傾向は現状皆無で、今後「大きな改革」が起こるとは到底思えない。

そのためには当然多くの「リスク」を冒さなければならない。「リスク」とは曖昧な言葉ではあるが、もっと多くの人間が海外に出て日本を客観的に見ること、そして日本サッカーという組織に自己否定的学習を求めるために「批判」及び「意見」をすることがつまりは「リスク」であり、それを若い人間が自ら行っていかなければならない。

逆に言えばその「リスク」というのは、現段階で肩書きを与えられていない若い人間にしか冒せないと考えている。すでに長く日本サッカーに身を置く人間には家庭があり、人脈があり、地位があり、安定を求めてしまうのは自然の摂理だからだ。

では、なぜ日本サッカー界にはリスクを冒す若い人間が現れないのか?

その原因は決して一括りには出来ず、いたって多方面の観点から考える必要がある。大元を辿れば、日本の教育、文化、歴史的背景、サッカー界のシステム等の問題が関与していることは間違いなく、それはある種言い訳に繋がってしまう場合もあるが、まずはそれを知ることが大切である。

 

|若い指導者の抜擢

2016シーズンのJ1・J2リーグの監督に、30代が一人として存在しないのは偶然だろうか?若い指導者が上のレベルに出てこないのは、ただ単に実力不足なのだろうか?私が思うに、若い指導者を育てようという気が全くないだけであるし、間違いなく日本には実力のある若い指導者がいるはずだ。ブンデスリーガで史上最年少監督が生まれたというニュースは記憶に新しいが、日本にもこのようなことが起こり得るだろうか?絶対にないと断言できる。ライセンス制度にも問題があるし、日本独特の「空気」がそうはさせないだろう。そもそも指導者を育てる気がないのだから。

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 若い人間にしか組織は乱せない

若い指導者を育てていくということは、つまりは組織が脱皮を繰り返していくことにつながり、「変化」「緊張」「危機感」が生まれる。これは成長に欠かせない条件だ。若い人間が実力をつけ、上の人間が危機感を覚え努力をする。常に実力を上げていかなければ仕事ができない状態にしなければならない。 日本サッカー界にその状況があるかと言われれば、疑わしい。

実力の有無に関わらず、若い人間が既存のやり方に疑いを持ち、意見をするのは当然のことだろうと思うが、それを受け入れる「寛容さ」は存在していないように思う。全てを「経験がない」という言葉で片付けられてしまうのならば、どう組織を変えられるだろうか。そもそも経験を持った時にはもう遅い。安定を求めざるを得ない年齢になっているだろう。

 

|若い指導者自身が頭角を現そうとしているのか?

ここが一番の問題点である。どんなシステムでサッカー界が回っていようが、どんな「空気」が漂っていようが、リスクを冒す人間は、リスクを冒す。私も含め、若い指導者の中に、リスクを冒して日本サッカー界を変えてやるという気持ちを持っている人間がどれだけいるのだろうか?日本サッカーを世界に示したいと思っている人間がどれだけいるのだろうか?「変化」「緊張」「危機感」をもたらすには、リスクを伴う。リスクを冒せるのは若いうちだ。私はこれから世界各国を回りながら、日本サッカーに対して色々な観点から意見や批判をしていこうと思うが、こんな人間が訴えたところでなにが変わるかはわからない。ただ、よりこれが多くの人数を巻き込み、多くのエネルギーを生み出すことができれば、必ずや日本サッカーのに「大きな改革」を起こすことにつながると、私は確信している。

 

|野心を持て

ビジネスの世界を見てほしい。若い人間が頭角を現している。それによって常に成長を求められるのだ。異質の存在が日々現れている。私たちサッカー界の人間はビジネスで活躍する人の話を聞くべきだ。ビジネス書を読むだけでもサッカー界にも異質な存在が必要だという気持ちが湧いてくるだろう。

歴史を学ぶべきだ。過去に若くして自らの正義を訴えてきた人がどれだけいるだろうか。日本おいて大きな転機となった「明治維新」を学べば野心が湧いてくるに違いない。当時明治維新をもたらした志士たちは、ほとんどが若く、下級武士出身だった。経験もない、身分も低いものばかりだ。開国のきっかけとなった「ペリー来航」当時、坂本龍馬は19歳、吉田松陰は24歳、福沢諭吉は20歳、大隈重信が16歳だ。彼らが維新の原動力となったことは言うまでもない。

明治維新は、下級武士の革命だったといわれるほど、幕末維新の志士たちの中に、下級武士の者が大勢いました。維新の元勲とよばれた人々のうちでも、西郷隆盛大久保利通伊藤博文山県有朋は、みんな薩摩や長州の身分の低い武士から出ています。(中略)

同じ武士身分のあいだでも、上士、中士、下士の区別はきびしく、家老になれたかわりは、下級武士の家すじのものはどんなに立派な人物でも、容易に出世できない仕組みになっていました。

「内閣制度は親のかたきでござる」という有名な福沢諭吉のことばも、すぐれた才能にめぐまれながらいつまでも下積みであった下級武士の言葉として、味わって聞くことができましょう。

著『明治維新服部之総より

 

世界を見るべきだ。

日本の外に出ることは必要不可欠。世界が上だとか下だとかは関係なく、外から客観的に日本サッカーを観ることは、どう考えたって大事なはずだ。外を見なければ中はわからない

日本のサッカーが今どういう立ち位置なのか、日本のやり方は正しいのか、世界はどれだけのレベルなのか、実際に行かなければわからない。誰から聞いた情報は、誰かのフィルターを通した情報だ。それではいつまでたっても世界はわからないままだ。

もっと多くの人間が世界のサッカーを、サッカーの頂点を観ることは、今後の日本サッカーのために、絶対に必要なことだ。頂点をこの眼で見れば、野心など自然と湧いてくるだろう。明治維新の志士たちは、ほとんどが海外に行き、世界を見ている。これは偶然だろうか。

 

もし、日本サッカーに「変化」「緊張」「危機感」をもたらしたいと本気で思っている人がいれば、力を貸してほしい。

 

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